■導入事例■【日立ソリューションズ様】全社員が生成AIを自律的に活用する基盤として、Alli LLM App Marketを採用

■導入事例■【日立ソリューションズ様】全社員が生成AIを自律的に活用する基盤として、Alli LLM App Marketを採用
写真右から:株式会社日立ソリューションズ スマートワークソリューション本部 ビジネスコラボレーション部 ユニットリーダ 西村様、AIトランスフォーメーション推進本部 AX生産技術部 AI業務改革グループ グループマネージャ 白子様、スマートワークソリューション本部 ビジネスコラボレーション部 技師 辻様、Allganize Japan株式会社 Solution Sales Specialist 三浦、Customer Success Senior Specialist 土井、Solution Sales Senior Manager 池上

株式会社日立ソリューションズ様は、日立グループのITソリューション事業の中核を担う企業として、お客さまとの協創をベースに、最先端のデジタル技術を用いたソリューションを提供しています。産業・事業構造の変革や社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献することをミッションに、デジタルトランスフォーメーションを推進しています。

日立ソリューションズ様は、以前よりAllganizeとパートナーシップを組み、多くのお客さまにAllganizeの先端AIソリューションをご提供いただいています。

お客さま提供のみならず、自社の生成AI・LLM活用の取り組みにAlli LLM App Marketをご活用いただき、業務効率化を実現されていらっしゃいます。

今回は、Alli LLM App Marketによる自社業務の効率化に取り組まれていらっしゃる、日立ソリューションズ AIトランスフォーメーション推進本部 AX生産技術部 グループマネージャ 白子様、スマートワークソリューション本部 ビジネスコラボレーション部 ユニットリーダ 西村様、技師 辻様の3名にお話を伺いました。

ー 貴社の事業内容とご担当者様の役割についてお教えください

AIトランスフォーメーション推進本部は、当社グループ全体のAX(AIトランスフォーメーション)を牽引する本部です。これまでも、AXに関するワーキンググループが存在していましたが、会社としてより競争力のある価値提供ができるよう、2024年度に新設されました。タスクフォースという形で海外含むグループ会社のメンバーも参加しています。

その中でもAX生産技術部は、社内業務・開発業務にAXを浸透させるため、生成AI活用のノウハウ・プロセスの整備も含め技術面・IT環境面で全社を牽引していく役割を担っています。

ビジネスコラボレーション部は、ビジネスの現場で発生するコミュニケーションやドキュメント管理の課題を解決し、デジタルトランスフォーメーションを推進するソリューションをお客さまに提供しています。Allganize社と当社のアライアンスにおける主管部門であり、多くのお客さまにAlli LLM App Marketを導入しています。

今回の自社利用においても、Alli LLM App Marketの導入・環境構築を担当しています。

株式会社日立ソリューションズ AI業務改革グループ グループマネージャ 白子様

ー これまでの生成AIに関するお取り組みについてお聞かせください

生成AIの業務での活用範囲は広く、社内業務の効率化や開発生産性の向上などの取り組みを進めており、まずは日立製作所の生成AI基盤とMicrosoft Copilot およびMicrosoft 365 Copilotの取り扱いから開始しました。しかし、全社的な生成AI活用を一層推進するには、より多くの社員に生成AIに触れてもらい、「これ、使える!」と実感を持っていただくことが大切です。

そのためには、個別の業務に対応できる生成AIアプリが重要になると考え、社員一人ひとりが自律的に生成AIの活用領域を拡大できる状態を目指して、2024年度からAlli LLM App Marketの活用に取り組んでいます。

 

全社員が生成AIを活用するためには、業務に合わせた生成AIアプリをカスタマイズできるプラットフォームが不可欠

ー 自社の生成AI活用基盤の一つとしてAlli LLM App Marketの採用を決定された背景をお教えください

前述の通り、当社では生成AIを自律的に活用できる姿を目指しています。一方で、プロンプトエンジニアリングの点で壁があると感じていました。

最新技術への感度が高いエンジニアなどはプロンプトを使いこなしていますが、そうではない社員も多くいます。

全社員 約5,000人を対象に2024年5月に実施した生成AIに関する実態調査アンケートでは、”生成AIを使っている・使ったことがある” と回答した社員は3割程度でした。利用していない理由として多かったのは、「どう業務に使っていいのかわからない」「お客さま情報や技術情報など、どこまで利用していいのかわからない」といった内容でした。

これらの調査結果から、生成AIで利用できる情報の範囲を明確にすることに加え、個別の業務でより使いやすい環境が必要だと感じていました。

株式会社日立ソリューションズ ビジネスコラボレーション部 ユニットリーダ 西村様

ー Alli LLM App Marketの採用の決め手についてもお教えください

個別の業務での生成AI活用を模索していた時に、ビジネスコラボレーション部からAlli LLM App Marketの提案があり、具体的に導入を検討しました。

 Alli LLM App Marketの評価のポイントは3つあります。

1. 業務に合わせて生成AIアプリを作成できる、カスタマイズ性

Alli LLM App Marketは、「業務に合わせた生成AIアプリを簡単にカスタマイズできる」という点で、”自律的な生成AI活用”という当社の目指す姿への適合性や、ほかのサービスとの違いを評価しました。

また、社内問い合わせ対応の効率化も課題となっているため、Alli LLM App MarketのRAGやチャットボット機能も魅力的でした。

2. LLMのモデルを選べる柔軟性

当社はデータポリシー上、外部のLLMはAzure OpenAIを利用しています。Alli LLM App Marketではユーザー側でLLMを選択でき、Azure OpenAIに関しても複数モデルが実装されているため、用途に合わせてモデルを選べる点も要件に合致していました。 

3. 導入・運用のサポート体制

有用性が確認できたことに加え、ビジネスコラボレーション部が一般のお客さまへAlli LLM App Marketを導入した実績や知見をもとに自社にもスムーズに導入できること、同部を通じてAllganize社からもサポートを受けられる体制が整っていたこともポイントでした。

実際に業務部門の社内問い合わせ対応として社内試行を行ったところ、問い合わせの一次受け件数が減少し、効果を実感できたため全社導入に踏み切りました。

株式会社日立ソリューションズ ビジネスコラボレーション部 技師 辻様

ー 全社利用にあたり、社内展開に関するさまざまな工夫をされていらっしゃると伺いました

将来的にAlli LLM App Marketで多くの業務アプリを作成し、全社基盤としてさらに活用していきたいと考えています。そのためには、形骸化させず社内で定着することが非常に重要と考えており、全社展開に関するさまざまな取り組みを行っています。例えば、次のように複数の施策を組み合わせています。

社内展開の取り組み

<親しみやすい名称>

●     覚えやすいよう、社内で馴染みのあるワードをサービス名称に設定

<わかりやすい誘導経路>

●     紹介ポータルサイトを準備し、リンクを目立つところに設置

<使いやすい生成AIアプリ群>

●     あらかじめ社員が使いたくなるアプリを厳選

●     用途ごとにカテゴリーを整理して表示

<わかりやすい解説動画>

●     基本的な使い方や、おすすめアプリの紹介動画を作成し、紹介ポータルサイトに掲示

<利用を活性化するコミュニティ>

●     自社で使用しているコミュニケーションツールでユーザーコミュニティを作成。コミュニティでは情報発信するだけでなく、アプリの追加・個別開発の要望を集約

●     テーマ毎に社内セミナーを実施し、業務での活用効果などを発信(例:営業活動での生成AIアプリ活用)

<利用ルールや制約の明示>

●     入力可能な情報の詳細など、利用上の注意事項をアプリの中の目に付くところに表示

●     生成AIアプリの制約事項を明示

<誰もがすぐに利用できる状態での提供>

●     ユーザー認証は行うけれども、社員なら誰でも利用できる環境

聞き手:Allganize Japan株式会社 Solution Sales Senior Manager 池上

資料作成や要約などの汎用アプリのほか、機器のログ解析など独自の生成AIアプリも展開

ー 現在、どのような生成AIアプリが社内で利用されていますか?

本格的な全社運用をスタートしたところですが、社内問い合わせ対応のほかに、アイディアの壁打ち、文章の要約、ITシステムの使い方のサポート、PCのトラブルシューティング、ドキュメントチェック、資料作成など、色々なアプリが利用されています。

当社ならではの使い方としては、ネットワーク機器などのログの解析、プログラミングしたコードの修正、簡単なVBAマクロの作成といった場面で活用されている例もあります。

聞き手:Allganize Japan株式会社 Solution Sales Specialist 三浦

ー 全社展開後、変化や社内からの反応などはありましたか?

最初に導入した業務部門の社内問い合わせ対応アプリは、トライアル後も活用が進んでおり、毎月 約400件の問い合わせを処理しています。あらかじめ用意していたFAQとRAGで自動応答する仕組みですが、問い合わせの4分の1は社内ドキュメントから回答を自動生成しています。コミュニティでも、「いつでも回答してもらえるのが大変ありがたい」といった反応もありました。

トライアル時点から全社に公開したことで、社員が「生成AIは魔法の杖ではない」ということを実感として持ってくれた印象もあります。現時点で実現できることを認識したうえで、業務を効率化するツールとして取り入れたいという潮流になっています。

また、RAGによる効率化への期待が大きく、複数の部署から「自部門でのナレッジ共有や情報検索に使ってみたい」との相談が挙がっています。部門内であればユーザー側も一定の基礎知識もあるため、ハルシネーションがあった場合の対応もしやすく、特性を理解したうえで使うことができます。

問い合わせ対応にかかる工数の削減はもちろんですが、新しい人が入ったときの相談先としても有益で、今後は生成AIで新入社員の教育コストが変わっていくと感じています。

ー 導入に向けて、Allganizeのサポートはいかがでしたか?

生成アプリの作成や実装のほか、定着化に向けたアクションについて、開発元ならではの高度なサポートを受けることができました。例えば、運用を見据えた問い合わせ対応アプリの挙動に関するデータの分析方法や、分析結果に基づいたチューニング方法などを具体的に教えていただき、全社展開の助けになったとともに、当社のノウハウとしても蓄積できました。 

聞き手:Allganize Japan株式会社 Customer Success Senior Specialist 土井

グループ全体のAX基盤としても、Alli LLM App Marketに期待

ー 今後の展望についてお教えください。

Alli LLM App Marketを導入して数ヶ月後に、改めて生成AIの利用実態調査を行ったところ、”生成AIを使っている・使ったことがある” と回答した社員が3割から5割に増加しました。Alli LLM App Marketが利用拡大の一因になったと考えています。

さらなるAX推進に向け、営業活動や事業活動に特化した生成AIアプリをAlli LLM App Marketで作成していく予定です。個別の業務で使用するアプリでは、社内データや提供ソリューション関連情報などの活用が鍵になりますので、Salesforceなどの業務システムや社内情報などとのデータ連携周りの環境も整えていきたいと考えています。

また、当社のAlli LLM App Marketを用いた取り組みについて、当社グループ会社も興味を持っており、状況を共有しつつ、グループ会社も含めた業務効率化や生産性向上のプラットフォームとしての活用を検討していきたいと思います。

ー 貴重なお話をありがとうございました。

※本事例の内容は公開時点(2025年2月)の情報です。
※本文中の会社名、商品名は各社の商標、または登録商標です。

関連リンク

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オールインワン企業向け生成AI・LLMソリューション「Alli LLM App Market」を提供するAllganize Japanの公式ブログ。活用事例や生成AI等の最新情報を発信
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