■導入事例■ 野村證券様の資産管理アプリ ”OneStock” にAlliを導入

野村證券株式会社様の資産管理アプリ「OneStock」に、AllganizeのAIチャットボット「Alli」が採用されました。導入前の比較検証、経緯などを野村證券のご担当者様にインタビューしました。

■導入事例■ 野村證券様の資産管理アプリ ”OneStock” にAlliを導入

野村證券株式会社(以下、野村證券)様が運営する資産管理アプリ「OneStock」に、Allganizeが提供するAIチャットボット「Alli」を採用いただきました。「OneStock」ではすでにチャットボットを導入されておりましたが、AIを搭載したAIチャットボットへの切り替えが検討され「Alli」を選定、導入いただいた形態となります。

導入の経緯など、ご担当いただいた野村證券様の池田様、中様、田福様にインタビューをさせていただきました。

※ 中央:野村證券株式会社 常務 デジタル・カンパニー担当 兼 営業部門マーケティング担当 池田 肇氏‌ / 左:野村ホールディングス株式会社 デジタル戦略部 中 俊文氏 ‌ / 右:野村ホールディングス株式会社 未来共創推進部 田福 佑也氏

野村證券様のデジタル・カンパニー部門としてのお取り組みを教えてください

池田氏:私が担当するデジタル・カンパニーではお客様とのヒトによるダイレクトな接点に加えて、デジタル環境からも接点を持ち、同接点からの完全デジタル化された金融サービスの提供を目指しています。

その一環として、AI技術やオルタナティブ投資などの重点領域を中心に強みを持った企業とコラボし、新しい産業を創出することや、OneStock、FINTOS!、NOMURA(※)などの開発、また自動相談サービスやAIチャットボットの活用を通して、デジタル領域でのサービス提供範囲の拡大を行っています。

野村證券株式会社 常務 デジタル・カンパニー担当 兼 営業部門マーケティング担当 池田 肇氏

中氏:私は所属するデジタル・カンパニーにおいて、その中でも自然言語処理分野を中心にAI技術やAIベンダーの調査とそれらの技術の社内普及を実施しています。

田福氏:私は野村證券で提供しているサービスについて、24時間365日、ユーザーが利用可能なサービスとできるよう、相談・お問い合わせの自動化に関しての取り組みの一環で、Allganize社のAlliを使用しFAQを中心としたAIチャットボットを野村證券が持っている各サービスへの導入を担当しております。

※ 野村證券様が提供するアプリの詳細は以下。
OneStock:複数の金融機関で保有している資産を連携し、まとめて管理できる資産管理アプリ。
FINTOS!:厳選された投資情報を提供するアプリ。
NOMURA:お客様が野村證券で保有している複数の金融資産の状況をまとめて取引・管理できるアプリ。

サービス拡大に伴い、精度、対応工数の増大を課題に感じ乗り換えを検討

田福氏:OneStockではAIやチャット機能が搭載されていないシナリオ形式のFAQを提供していましたが、サービス拡大によるFAQ数の増加に伴い、ユーザビリティ(検索性)の低下と問合せ対応工数の増加が課題となっておりました。

以前使用していたFAQチャットボットでは回答精度が50~60%の水準に留まっていたことから、FAQの回答精度の向上、またカスタマーサポートにおける運用工数の削減を目的とし、OneStockにおいて、AIチャットボットの導入検討を開始しました。

Alliを含む4つのAIチャットボットを比較検証

中氏:FAQチャットボットの課題解決を行うため、まずはAIチャットボットの情報収集を行いました。

Allganizeを知ったきっかけとしては、マイクロソフト社ご担当者様からのご紹介となります。ご担当者様から「AIチャットボットはもちろんのこと、日本語の機械読解の技術にも優れた会社がある」とのことでご紹介をいただきました。

複数社から情報収集を実施し、選定を行うために、AIチャットボットを提供しているベンダーを4社に絞り、比較検証を実施しました。

比較検証の項目として、「① AI性能」「② 運用に関する効率」「③ 運用面のコスト」を設定しました。

野村ホールディングス株式会社 デジタル戦略部 中 俊文氏

①AI性能

AIの性能を検証するため、未学習(もしくは最低限の学習)状態の各AIチャットボットに質問項目と回答を登録し、回答精度の比較検証を行いました。

結果として、未学習の状態で回答精度が高かったのはAllganizeになりました。

また、2番目は最低限の学習と検証を実施したB社であり、その後はC社、D社という結果となりました。

②運用に関する効率

【 1 】環境構築、提供~FAQの初期登録までの流れに関して各社比較。

・Allganize:環境提供までに1営業日、FAQ登録は1時間もかからず登録が完了。
・B社:環境構築、事前学習を機械的に行う必要があるため約2週間で完了。
・C社:約3~5営業日ほどで環境提供、初期FAQの登録が完了。
・D社 :アカウント作成のみは数分で実施できたが、50問のFAQ登録作業は2~3営業日で完了。

【 2 】:FAQ追加学習に関して各社比較

・Allganize:利用者からの評価による自動的な学習、管理者によるGUI上で簡単に学習を実施できた。
・B社:B社による人的な学習。
・C社/D社:関連する文言や言いかえなどの登録が必要。

上記の結果から、短い期間で利用可能となり、ユーザーの利用によって自動で学習するAllganizeが良い、という判断となりました。

③運用面のコスト

費用面に関しては、従量課金制になっているD社が1番安く、次に初期費用:25万円、月額費用:10万円から使用可能なAllganize、次に導入に数百万とかかるB社、C社の結果となりました。

4社比較した際の検証結果

検討する中で特に重視したポイントとAllganizeを選んだ理由とは?

「費用対効果(工数肥大化の解消)」を特に重視しました。そして各4社のベンダーと比較検証を行った結果、AIによる回答精度が高く、初期運用の負荷が低い、さらに、費用に関しても安価に提供いただけるAllganizeの「Alli」を選定することとしました。

Alliは操作も簡単。特に使いやすさを感じた点とは?

【1】ノーコードでチャットフローの構築やFAQ登録が可能

田福氏:既存のチャットボットではJSONを使用した各種コーディング、実装が必要なため、知識のある担当が修正や実装を行っていました。Alliでは全てノーコードで実装ができ、例えばGUIでチャットフローを作成したり、FAQの登録ができます。結果として、属人化せずに運用が可能であり、修正・追加などのメンテナンスも簡単になりました。

【2】チャットボットの分析機能

田福氏:Alliでは任意の期間で集計と解析が出来るため、ユーザーの動向や、利用頻度、改善につながる分析が容易になりました。

Alliを導入してからの変化や社内の評判は?

野村ホールディングス株式会社 未来共創推進部 田福 佑也氏

田福氏:正直、導入前の時点では「以前のチャットボットより価格が低いもので本当に良くなるのか?」「リプレイスすることのメリットって実感できるのか?」という懸念がありました。

しかし、検証時から質問を入力したら答えがすぐに返ってくることにまず大きな違いや効果を実感しました。また、運用体制として、以前は3人必要でしたが、ほぼ1名体制で運用を行えているところからも、チャットボットにかける工数が軽減していることを実感しています。

中氏:OneStockでのAlliの導入により、各部署からAlliの導入に関するお問合せや、Allganizeの別途のサービスへの導入検討の声をいただき、提案を実施しています。

また、デジタル・カンパニー内で提供しているサービスのお問い合わせが増加しているという報告もあるので、そのお問い合わせ業務に対するFAQのチャットボット導入に向けて、OneStockに導入してからの利用頻度等の共有を行なっています。導入効果も含め、導入に向けた準備を進めています。

Allganizeからのサポートはどうでしたか?

田福氏:初期構築の段階において、検証時の環境を引き継ぐことができ、運用方法に関するアドバイス、他社事例からの使い方の案内などをいただき、スムーズに導入時の環境構築を行うこともできました。

また、自社特有の機能に関しての相談や、システムに関する要望に関しても柔軟にご対応いただき、とても助かりました。

その後も運用に関する体制へのアドバイスや助言、分析に関しての月次サポート、改善の提案をいただくなど、手厚くサポートをいただいております。

さらにシステムに関する改善要求についても積極的に取り組んでいただき、とても助かっております。

今後のデジタル・カンパニーにおける展望
その中でAllganizeに期待すること

池田氏:一般的にもデジタルトランスフォームの動きは強まっています。なぜトランスフォームしなければいけないのかというと、お客様自体が変わっているからです。ビジネスモデルを変えるということ自体は、考え方を変えることだと思っています。

そもそも資産運用は難しいものです。だからこそ運用をしている方は日本ではまだまだ少ない。ヒトだろうと、デジタルだろうとお客様本人はパフォーマンスを上げたいと考えていらっしゃいます。それに対するサポートをしていきたいと思います。

デジタル上でお客様とコミュニケーションを実施していく観点で、まずはAIチャットボットを活用していきたいと考えています。資産運用における各サービスのコミュニケーションツールの一つとしてAIチャットボットを展開し、発生したコミュニケーションのデータを蓄積し、今後のアクションに活用していきたいと考えています。

また、海外の金融機関ではもっと最先端なデジタルサービスを提供し始めています。自然言語処理の技術と野村證券の各サービスの連携により、新たなサービスや技術が生まれ、Allganizeと共にサービスを成長させることが出来ればと考えています。

これから導入を検討される企業様へのアドバイス

新しい技術やソリューションの導入を利用部署に勧めようとするときに、他社事例だけでは導入後のイメージがわかず、理解が得られにくいことがあります。OneStockで導入する場合も不安な声が多くありました。

Alli は依頼から1日で検証環境(管理画面)を提供いただくことが出来、よくあるお問い合わせとその答えのセットが既にある場合は、登録が数時間で完了。すぐに使用感やAIの精度検証などを行うことができます。

検証で多くの工数をかけずに済むことは、導入の検討時間の短縮・初期開発負担も減るため、いままで導入してなかった企業様でも導入のしやすいツールだと感じております。

また、サポート面に至ってはチャットの機能の要望や相談に対しても親身に受け止めていただき、改善の検討から実装も素早くご対応いただきました。一緒にAIチャットボットを成長させるパートナーとしてこれからもお付き合いしていきたいと感じています。

(インタビューへのご協力、ありがとうございました!)


「野村證券株式会社」様
本社所在地:東京都中央区日本橋1-13-1
事業内容:証券業
企業サイト:https://www.nomura.co.jp/

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