■導入事例■【大和証券グループ様】AIチャットボットを「Alli」に変更し、4ヶ月で正答率を約20%向上。問い合わせ業務時間も15%削減!
株式会社大和証券グループ本社様は、大和証券株式会社をはじめとする証券事業を展開するグループ企業を傘下に収め、リテール事業やホールセール事業、アセット・マネジメント事業を展開されています。
同社は、社内問い合わせ業務のチャットボットをAllganizeのAIチャットボット「Alli」に変更したことで、「営業員からの各種問い合わせ」業務の効率化を実現しています。
今回はAlliの運用を担当されている、基幹IT部の祖父江様、瀧様、深見様にお話を伺いました。
ー 貴社の事業内容と、皆様の役割についてお教えください。
大和証券グループ本社の主要事業は証券ビジネスです。基幹IT部事務企画課では、大和証券グループ本社の収支構造改革の一環として、バック事務のデジタル化・集約により、バック事務人員のフロント業務へのシフトを推進しています。
多種多様な証券バック事務に対して、効率化施策を行っていますが、その中でも事務人員の負担が大きな「営業員からの各種問い合わせ」については、AIチャットボットを用いて、効率化を図っています。
中期経営計画の達成に向けて、より業務効率化が必要に。精度の高いAIチャットボットが求められた。
ー 業務効率化がこれまで以上に必要となった背景を教えてください。
大和証券グループ本社では、バックオフィスを持たない店舗を増やす戦略を取っており、バック事務人員の大半を全国8か所の拠点へ集約しました。
さらに、当社が2021年度に策定した中期経営計画では、人員シフトによるトップライン向上を行い、店舗のバック事務人員は約1,300名から450名程度へ減ることになりました。
この影響で、営業員とバック事務人員の物理的な距離も発生し、営業員がその場で質問できる環境ではなくなったため、少なくなったバック事務人員で「営業員からの問い合わせ」対応を行う必要がありました。
これまでもAIチャットボットを活用し、事務人員の負担軽減を図ってきましたが、今まで以上の効率化が求められます。そのため、AIチャットボットの精度向上が必要不可欠となっていました。
ー 以前導入していたAIチャットボットでは、どのような課題がありましたか?
2019年頃、業務効率化を目指し、AIチャットボットを導入しましたが、正答率が課題となっていました。バックオフィスの人員が減少することを考慮すると、正答率の改善は急務でした。
営業員からバック事務への問い合わせは、相続やNISAなど証券業務に関する内容が多く、制度変更などに合わせてAIチャットボットのQAの変更を行っていました。日々メンテナンスを行っていましたが、業界用語が難しいためか、当時のAIチャットボットの正答率は50%前後から変化がありませんでした。
メンテナンスを行う中で、正答率を向上させるためには、
- 質問のヒット率(狙った質問が出る度合い)の向上
- QA数の増加
の2つが必須であることがわかりました。
しかし、QAを増やすと、増やした分だけ狙った質問が出てこなくなるという問題に直面し、正答率の改善には至りませんでした。
また、当時のAIチャットボットは、AlliのようにQAを検索する前にカテゴリーを選択したり、AIチャットボットで答えられなかった場合のフォームを設けたり、といったチャットフローを用いたシナリオ設計をする機能はなく、入力した質問に対して表示された5つの候補から回答を選択する機能しかありませんでした。
ユーザーからも「回答が出てこない」など、辛辣な意見もいただきました。当時はAIチャットボットを社内で推進すべく周知を積極的に行っていましたが、正答率の低さが、かえってあまり良くない評判の拡散にもつながってしまいました。
同業界での実績や、利便性の高さ、メンテナンス負荷の少なさが、Alli導入の決め手に
ーAllganizeを知ったきっかけは何だったのでしょうか?
AIチャットボット変更の検討にあたり、複数のサービスを調べました。Alliの同業界の導入事例を見つけたのが、Allganizeを知ったきっかけです。
証券業界は業界用語が難しく、システム導入のハードルも高い業界です。
同業界でAlliを活用している企業も、事前に検証した上でAlliを採用していることから、当社での可能性が期待できました。
ーAlli導入の決め手を教えてください。
課題であったヒット率の向上のために、シナリオ型×AI型のハイブリッド形式で実装出来ることは必須条件でした。
ハイブリッド形式で実現できることに加え、以下の3点がAlli導入の決め手となりました。
- ユーザーの利便性が高いこと
- 管理者側のメンテナンス負荷が小さいこと
- 運用費用が安いこと
<1. ユーザーの利便性が高いこと>
Alliには、ユーザーが求める回答を得やすくするための機能が揃っています。
ユーザーの質問に対して、あらかじめ指定した数の回答候補を提示した上で、「結果をもっと見る」ボタンを表示させることができます。ユーザーは「結果をもっと見る」ボタンをクリックすることで、さらに多くの回答候補を確認でき、求める回答に辿り着きやすくなります。(※詳細は下図を参照)
これまでは、回答が表示されなかった場合、再度言い回しを変えて質問する手間が発生していましたが、その手間が無くなる点が評価ポイントでした。
また、質問入力の際のサジェスト機能があり、質問の仕方が分からないユーザーでも簡単に質問入力ができるようになると感じました。
<2. 管理者側のメンテナンス負荷が小さいこと>
Alliには、管理者側にとっても魅力的な機能が充実しています。
- シナリオをノーコードで実装できたり、柔軟な変更が可能
- 分析画面から利用状況や応答率を視覚的に確認可能
- 回答できなかった質問の一覧から、直接QAの登録や修正が可能
上記のような便利な機能が多く、AIチャットボットのメンテナンスが楽になると感じました。実際にAlliに変更したことでメンテナンス負荷が軽減できており、以前は 15名程度 でAIチャットボットを管理していましたが、現在は 3名 で管理ができるほどになりました。
<3. 運用費用が安いこと>
他に比較検討したAIチャットボットは、どれも初期費用や月額費用が高額でした。
他のAIチャットボットに比べ、Alliは機能対価格で、初期費用も安く、月額費用も他社の半分程度に収まり、十分な費用対効果が見込めました。
メンテナンスしても50%前後だった正答率が、Alliでは72%に上昇!実際に問い合わせ対応時間が減少し、ユーザーからも高評価
ー Alli導入後の変化や社内からの反応はいかがでしたか?
課題であった正答率が大きく向上しました。
以前のAIチャットボットの正答率は50%前後でしたが、Alliの導入から4か月後の2023年7月時点で 72%まで向上 しました。
実際に、営業店の事務担当にアンケートを取ったところ、「営業員からの各種問い合わせ」にかかる業務時間は全体で 15%程度削減 されたという結果になり、社内からは「以前よりも正確な回答が出るようになった」との意見もいただけました。
また、Alliに変更したことで、以前から挙がっていたユーザーからの要望に応えられるようになっています。
以前より「より細かな質問にも対応できるようにして欲しい」との声がありましたが、従来のAIチャットボットでは、QAを登録すればするほど回答候補が表示されなくなるため、対応が困難でした。Alliでは、QAの追加に関わらず正答率を向上できているため、以前より挙がっていた要望に対応できる環境になりました。日々ユーザーの声に耳を傾けメンテナンスを続けています。
ー Allganizeのサポートはいかがでしたか?
導入の際にはAllganizeの営業の方に契約手続きやインフラの準備、細かな機能の説明等、実施計画に間に合うようにご助力いただきスピーディーに導入することができました。
検討時間と以前のAIチャットボットの運用の両方に時間を費やすより、効果が期待できる製品を速やかに導入したいと考え、導入の検討から実施まで1か月程度の計画で進めました。
通常、システム導入には時間がかかるのですが、Allganizeの対応が迅速だったこともあり、1か月という短期間で導入できています。
また、Alliに付随するサービス(LLMとの連携機能)やAlli以外のサービス(Alli for Invoice)の紹介など、AIチャットボットに限らず、様々なAIソリューションについて情報提供を行っていただいており、当社で進めている効率化施策の参考にさせていただいています。
ー AllganizeではLLM(大規模自然言語モデル)を活用したプロダクトの開発も進めておりますが、期待されていることはありますか?
社内でChatGPTの利用について検討を行っていますが、どの業務でAIを活用していくべきか情報が多い中、まだ見えていないのが正直なところです。
Allganize社が今後展開するAlli LLM App Marketが実現すれば、部署を問わず様々な業務シーンでAIが使える道筋ができるのではないかと期待しています。
ー 今後の展望について教えてください。
月間で5,000名程にAlliを利用いただいています。正答率90%という大きな目標を掲げて、QAの増強やメンテナンスを行っていきます。
並行して、当社では様々なジャンルのAIチャットボットが20個存在しており、そのうちAlliを利用しているのは3つの領域に限られているため、他部署が所管するAIチャットボットについてもAlliへ移管・統合を検討しています。
ー 引き続き、より良い製品と十分なサポートをご提供できるよう努めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
「株式会社大和証券グループ本社」様
本社所在地:東京都千代田区丸の内一丁目9番1号 グラントウキョウ ノースタワー事業概要:リテール事業、ホールセール事業およびアセット・マネジメント事業
創立年度:1902年(明治35年)
企業サイト:https://www.daiwa-grp.jp/