■導入事例■【足利銀行様】社内のAIチャットボットをAlliへリプレイス。運用の改善と、利用者にとって使いやすい環境を両立

足利銀行様は、社内問合せ対応にAllganizeのAIチャットボット「Alli」を採用し、業務効率化を行っています。 Alliの運用を担当されているDX戦略室の皆様に、リプレイスした背景、導入効果、今後の展望について、インタビューを行いました。

■導入事例■【足利銀行様】社内のAIチャットボットをAlliへリプレイス。運用の改善と、利用者にとって使いやすい環境を両立

株式会社足利銀行様は、120年の実績を持ち、本店を置く栃木県を中心に、埼玉県・群馬県・茨城県の北関東4県を主な営業エリアとしている地方銀行です。
社内のシステム部門や営業部門など幅広い問合せ対応にAllganizeのAIチャットボット「Alli」を採用し、業務効率化を行っています。

Alliに変更したことで、AIチャットボットの運用の改善と、環境を実現しました。

今回は実際にAlliの運用を担当される、DX戦略室 小林様、船矢様、添野様にお話を伺いました。

※写真 右から:株式会社足利銀行 DX戦略室 添野 純氏 / 同 DX戦略室 室長代理 船矢 竜太氏 / 同 DX戦略室 室長 小林 紀一氏/ Allganize Japan株式会社 Customer Success Manager 利光 夏海 / 同 Customer Success 足立 シオン

ー 皆様の役割や業務内容について教えてください

小林氏:当行の中期経営計画で掲げる「デジタル技術の活用等を通じたビジネスモデルの変革(DX)」への対応強化に向け、DX戦略室を新設しました。全社的な改革、人材育成、デジタル化施策の推進・業務改革等を担っています。

足利銀行 小林様

デジタイゼーションの推進として、RPA、AI-OCR、AIチャットボット、Office365、BIなどのデジタルツールを活用し、各種業務の効率化を進めています。

別のAIチャットボットを利用していたが、運用面などに課題が発生

ー AIチャットボットは、いつ頃から活用されていたのでしょうか?

小林氏:2020年に、社内の問い合わせ効率化を目的に他社のAIチャットボット製品を導入しました。
事務部門、システム部門、営業部門などで試験的に導入後、徐々に対象範囲や導入部署を拡大し、試行開始から半年で導入部署数16、登録FAQ数2,000件まで増加しました。

対象をさらに拡大し、本格導入を視野に入れて検討を進める中で、従来のAIチャットボットにおける課題が浮き彫りになりました。

ー どのような課題が浮き彫りになったのでしょうか?

船矢氏:以前利用していたAIチャットボットでは、3つの課題がありました。

<以前利用していたAIチャットボットの課題>
① FAQ登録数の制限
② 利用料金の高さ
③ 回答精度向上の限界
足利銀行 船矢様

課題①:FAQ登録数の制限
以前のAIチャットボットでは、FAQ登録数の上限が数千件でした。
AIチャットボットを本格展開するとそれでは足りず、上限を超えないためのFAQ見直し・調整作業に手間がかかっていました。

課題②:利用料金の高さ
月間利用料について、利用件数や機能面から考えると割高に感じていました。

課題③:回答精度向上の限界
当時のAIチャットボットの回答精度は平均72%でした。
金融機関特有の言い回しがあることに加え、FAQの種類も多岐にわたるため、これ以上精度を上げることに限界を感じていました。

Alliにリプレイスを決めた5つのポイントとは?

ー 2021年にAlliに変更していただいたのは、どのような理由からだったのでしょうか?

添野氏:Alli導入の決め手は5つありました。

<Alli導入の決め手>
(1)大量のFAQを登録可能
(2)回答精度の向上が簡単
(3)利用料金
(4)FAQのメンテナンスの容易さ
(5)他社製品にない機能

(1)大量のFAQを登録可能
FAQの登録数の上限が2万件のため、FAQの登録数を考慮せず、多数の部署や業務でAIチャットボットを活用できると考えました。

(2)回答精度の向上が簡単
質問者が検索した文章そのものを理解する能力(自然言語処理能力)が高く、回答結果のユーザー評価や、管理者側でのトレーニング機能によって、回答精度をすぐに簡単に向上できる点を評価しました。

(3)利用料金
Alliは月額10万円から利用できるため、他社製品と比べ、5年間で約500万円以上のコスト削減を見込んでいます。

(4)FAQのメンテナンスの容易さ
以前のチャットボットでは、FAQを登録するために、一般的な用語であっても、複数の言い回しの質問データを登録する必要がありました。
一方、Alliは質問と回答の1対1のデータさえ用意すれば、すぐに回答として利用できます。
FAQのメンテナンス(新規FAQ追加、既存FAQ編集・削除)が簡単な操作で行える点も非常に良いと感じました。

(5)他社製品にない機能
「ドキュメント検索機能」や「FAQ自動生成機能」
といった他社製品にはない機能を有しており、さらなる問い合わせ業務の効率化が期待できると考えました。

足利銀行 添野様

Alliに変更したことで、AIチャットボット利用促進のボトルネックが解消された!

ー Alliに変更した後、社内からどのような反応がありましたか?

船矢氏:Alliに変更したことで、利用者が迷わずAIチャットボットでFAQ検索できるようになりました。

以前のチャットボットでは、まず質問先の部署を選択する必要がありました。
しかし、複数の部署が関係する商品や事務手続きも多数あり、利用者はどの部署を選択すればよいかわからず、AIチャットボットの利用が進まない原因の一つとなっていました。

Alliでは、そうした質問先の部署の選択をせずに、全体から検索しても回答の精度に問題ないことが確認できたので、質問前時の部署選択制を廃止し、すぐに質問を入力できるような設計にしました。
その結果、利用者から「わかりやすくなった」との声をいただきました。

ー Alliの回答内容についても、利用者から反応はありましたか?

船矢氏:「回答内容もわかりやすい」という声をいただいています。
Alliでは、複数提示したFAQの中から質問者が選択した内容や、回答結果の評価(「いいね」ボタン)をもとにAIが自動学習してくれるので、次回以降求める回答が優先して表示されます。
この自動学習機能によって、利用者、管理者ともにわかりやすいAIチャットボットとなっていることを感じます。

Alliにより自動応答率の向上と、運用負荷の軽減を実現!

ー 管理側にも変化はありましたか?

添野氏:管理者の観点でも、Alliを導入して改善できたことが4つあります。

<Alli導入で改善できたこと>
(1)チャットフローを容易に編集できるようになった
(2)AIチャットボットが回答できなかった質問が即座にわかり、その場でFAQの新規追加が可能となった
(3)自動応答率が向上した
(4)AIチャットボットの利用状況を関係者全員で確認でき、各部がタイムリーにFAQをメンテナンスできるようになった

(1)チャットフローを容易に編集できるようになった
他社製品では、チャットフローを変更するために、様々な設定操作が必要でした。ノーコードではあったものの、分岐点を遡ってフローを作り直す必要があり、作業に負荷がありました。
Alliでは、ドラッグ&ドロップなどの簡単なGUI操作でフローの変更が可能なので、作業負荷が軽減し、利用者画面のメンテナンスをタイムリーに行えるようになりました。

(2)AIチャットボットが回答できなかった質問が即座にわかり、その場でFAQの新規追加が可能となった
他社製品では、AIチャットボットで回答できなかった質問のリスト作成にデータ加工が必要で、分析とFAQの追加に時間を要していました。
Alliでは、未回答の質問が管理画面上で一覧表示されます。未回答の質問リストをダウンロードして簡単に各部署に展開できるほか、管理画面上で未回答の質問を直接編集して新規FAQとして登録できるため、作業負荷が軽減しています。

(3) 自動応答率が向上した
未回答リストからのFAQメンテナンス、当行独自の言い回しに対応するための類語登録、利用者画面のUI改善などにより、AIチャットボットの平均自動応答率が4%上昇しました。(他社製品 72% → Alli 76%)

(4)AIチャットボットの利用状況を関係者全員で確認でき、各部がタイムリーにFAQをメンテナンスできるようになった
以前のチャットボットは、追加ライセンス費用が発生するため、利用状況を確認できる部署を5部署に限定していました。
Alliでは、追加ライセンスなしで管理画面へログインする人数を増やせるため、各部署が都度状況を確認しながらFAQをメンテナンスする運用体制を検討しています。

多数の部署がAlliを活用する中、電話の件数が半分以下に減った部署も!

ー Alliの活用を推進するお立場として、苦労されたことはありますか?

船矢氏:最初は部署ごとで温度差があり、あまりFAQを更新していない部署もありました。
しかし、実際にAIチャットボットを活用することで電話による問い合わせが減っている部署が現れたのを契機に、はじめは活用に消極的だった部署も、今では「チャットボットに登録する内容をどうするか」と自発的に協議しながら取り組むようになっています。

ー 社内にAlliを周知するために、各部署はどのような取り組みを行なっているのでしょうか?

船矢氏:大きく成果が出た例を一つご紹介します。
当行では、新しい商品や新しい取り組みを行う際に、社内ポータルサイトの掲示板にお知らせを掲示しています。従来は、掲示後に電話問い合わせが多数発生していました。
Alli導入後、お知らせを掲示する前にAlliにFAQを登録し、掲示文書の問い合わせ先欄に「AIチャットボットでも質問を受け付けています」と記載したところ、電話問い合わせの件数が以前の半分以下になり、Alliの効果を実感したという声が上がっています。

全体として、AIチャットボットをはじめとするAIの活用について理解が深まり、活用の機運が高まっていると感じています。

Allganizeの迅速な対応も、取り組みの助けになった

ー Allganizeのサポートはいかがですか?

船矢氏:月次のWeb打ち合わせでは、他社での事例を参考に、運用における課題についてアドバイスをいただいています。
操作方法がわからない場合は都度メールで質問をしていますが、即日回答いただく事が多く、助かっています。
また、Alliのシステムに関する改善にも真摯に取り組んでくださっていると感じています。

〜先輩や上司に聞きづらい事でも、チャットボットなら気軽に聞ける〜

生産性の向上のみならず、DX実現のツールとして、Alliに期待。

ー 今後の展望について、ぜひ教えてください。

小林氏:ビジネスモデルの変革(DX)のためのデジタルツールとして導入したAIチャットボットは、試行導入から2年半が経とうとしています。現在は、若手社員を中心に利用が定着しつつあります。

利用者向けに行ったアンケートでは、「先輩や上司に聞きづらい事でも、チャットボットなら気軽に聞ける。」という声がいくつか寄せられました。
年次の浅い若手社員の中には、特に月末、月初といった繁忙期において、「こんな些細な事を聞いたら迷惑かな。」と、周囲に尋ねる事を躊躇する方もいます。そのようなときに、AIチャットボットが活躍しているようです。

従来、主流だった電話にとって代わり、AIチャットボットですぐに正確な回答を得ることで業務の停滞を防ぎ、各人の生産性向上、ひいてはDXの実現を図る。「Alli」は当行DX実現のツールの一つとして、利用拡大を推し進める所存です。

「株式会社足利銀行」様
本社所在地:栃木県宇都宮市桜4-1-25
事業概要:普通銀行業務
設立年度:1895年(明治28年)10月
企業サイト:https://www.ashikagabank.co.jp/

AIチャットボット「Alli(アリィ)」
詳細はこちら
https://www.allganize.ai/ja/answer

本事例に関するお問い合わせ
Allganize Japan株式会社
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