■導入事例■【Allganize】営業の個別業務に特化した生成AIアプリで、月103時間の業務時間削減に成功!

企業向けの生成AI・LLMアプリプラットフォーム「Alli LLM App Market」を提供するAllganizeでは、自社業務にも Alli LLM App Market を導入し、多数の生成AIアプリで業務効率化を実現しています。
今回は、Allganize Japan の Produt Salesチーム の取り組みと、実際の成果についてご紹介します。
ー Product Salesチームの業務内容について、簡単に教えてください。
Allganize Japan の Product Salesチーム は、"インサイドセールス"と、SaaS契約を担う"フィールドセールス"の二つの役割を負っています。インサイドセールスは商談獲得、フィールドセールスは契約獲得(受注)に向けて、四半期毎に設定される目標値の達成に向けて組織的に取り組んでいます。
急速な事業拡大フェーズにあり、各人のカバー領域が広範囲。
ー これまでProduct Salesでは、どのような業務に課題があったのでしょうか?
私たちのコア業務は、フィールドセールスは見込み客との商談、インサイドセールスは商談化に向けた電話、メールなどのコミュニケーションです。
急速な事業成長に伴う組織拡大を行いながらのため、自身のコア業務だけでなく、周辺業務も各自でこなします。コア業務に注力できる環境を作るため、周辺業務の効率化が求められていました。
議事録やSalesforceへの入力など、営業周辺業務の効率化が不可欠だった。
a. 営業業活動ログの記録
状況確認や分析のために、全ての営業活動をSalesforce内に記録しています。例えば、お問い合わせに対するフォロー内容、お客様との会話、商談の議事録などを入力し、第三者が状況を即座に確認できるようにしています。
しかし、商談が立て込んでいる時期などは、Salesforceへの情報入力に時間を割くことが難しい場合もあります。また、商談しながら議事録を取ると、簡易メモ程度になってしまうことも少なくありませんでした。
対応記録が適切に記載されていないと、営業状況の把握や分析に支障が出たり、担当するお客様が変わった場合に引き継ぎに時間を要してしまいます。
b. Salesforceへの情報連携
当社では、リードを獲得するチャネルの一つとして、外部メディアも利用しています。外部メディアで発生したリード情報は、手動でSalesforceに登録する必要があり、リード情報をコピーペーストして情報登録します。誰でもできる単純なアナログ作業が日々発生していました。
c. 提案先の企業情報チェック
架電前に、お客様の企業情報、取り組み、相手先の担当業務について調べ、理解を深めます。企業のコーポレートサイトやニュースなどを調べながら情報を整理するため、1件あたり10分以上の時間を要していました。
また、商談で新たに同席されたお客様の役割を、商談中に急遽調べるといったこともあり、効率化が求められていました。
d. セキュリティチェックシートへの対応
商談中のお客様から、セキュリティチェックシートの入力を求められることがあります。会社ごとに項目や設問内容が異なるため、設問が複雑な場合はチェックシートの理解から始めなければならないケースもあります。過去に他社に回答した内容を参考にしたくても参照性に限界があり、ナレッジが属人化しがちでした。チェック対象が細かくボリュームの多いセキュリティチェックシートの場合、対応に5時間近くかかってしまうこともありました。
e. お客様への個別メールの作成
展示会出展後など、インサイドセールスでは、一人あたり日に数十件以上のフォローメールを送信する時期があります。展示会ブースでお話しした内容をふまえ、お客様ごとにユニークな内容をお送りしており、メール内容のチェックに時間を要していました。
ー 業務で実際に活用している生成AIアプリについて、教えてください。
前述の a. 〜 e. の課題を解決するために、主に下記のアプリを利用しています。
<利用している生成AIアプリ>
1. 議事録事録作成
2. Salesforceへ情報連携
3. 商談ページの作成
4. 社内情報検索
5. 文章美化
6. 企業情報チェック
7. セキュリティチェックシートの設問の意図理解
8. セキュリティチェックシートの設問への回答(RAG)
上記は、Alli LLM App Marketのデフォルトアプリを当部向けに簡単にカスタマイズしたり、個別業務向けにノーコードビルダーで新たに作成しました。以下が詳細となります。
1. 議事録作成
オンライン会議やIP電話の音声録音データから議事録を自動で作成するアプリです。通常の議事録としての要点の要約の他、BANTC情報の抽出、所感、次回提案に向けた動きなどを示唆してくれます。
2. Salesforceへ情報連携
外部メディアのリード情報画面のスクリーンショット(お客様の会社名、名前、部署、メールアドレス、電話番号などが表示された画面)をアップロードするだけで、Salesforceで新規リードを自動で作成します。
3. 商談ページの作成
インサイドセールスが商談の約束を獲得した後、Salesforceにて新規商談ページを作成します。インサイドセールスが電話やメールで確認した情報を本アプリで自動で整理し、商談項目別に各情報を抽出することで、商談ページへの情報入力の手間を大幅に削減します。
4. 社内情報検索
社内に散財するドキュメントやサイトを対象として、情報検索を行います。RAGをベースとした検索により、様々な表現でも関連する情報に短時間でたどり着くことができます。
5. 文章美化
お客様に送信するメールの文面の表現などをAIでブラッシュアップするアプリです。メール文章を連携すれば、文章校正に加え、お客様により伝わりやすい文章表現に変更してくれます。
6. 企業情報チェック
企業名と部署名の情報を入れると、その会社の基本情報、競合情報、部署の役割などを簡潔に提示します。商談や荷電前の事前準備や、商談中のお客様とのコミュニケーションのヒントとして活用します。
7. セキュリティチェックシート対応
セキュリティチェックシートは企業によってフォーマットや設問内容が異なります。設問の意図や背景を掴みづらい場合は、「設問の意図理解アプリ」を利用し、先方が確認したい内容を適切に理解します。また、これまでのセキュリティチェックシートへの対応内容から、設問への回答案を自動で生成します。
チーム全体で月103時間の業務時間を削減!さらに心理的な負担も軽減。
ー 生成AIアプリの導入効果について教えてください。
各メンバーがそれぞれの業務で利用した結果、チームとして大幅な業務時間の削減に繋がりました。
以下は実際に運用した結果をもとにした試算表です。削減時間は以下のように算出しています。
削減時間=(手作業での作業時間ー生成AIアプリ活用時の作業時間)×発生件数
「月間約103時間」の業務時間削減を実現できています。
また、業務削減以外にもさまざまな効果が生まれています。
<お客様対応の質の向上>
・商談中の対応
商談中に、急遽別の部署の方が同席される場合があります。その場合もアプリで部署名で業務内容を迅速にチェックすることで、お客様とのコミュニケーションが良好になりました。
・的確な案件引き継ぎ
商談記録を適切にSalesforceに記録することができ、お客様のご担当が変わった場合でも迅速かつ的確に案件を引き継ぎできるようになりました。
・良好な関係値の構築
商談や電話の内容を網羅して記録できることで、久しぶりの商談でもお客様と共通認識が取れ、会話中の認識のギャップを生じさせることなく、適切な対応を取ることができます。
<心理的な効果>
フィールドセールスでは、議事録を取りつつ商談を進めるのは大変でしたが、議事録アプリを入れた後は商談に集中できるようになり、気持ちに余裕が生まれています。インサイドセールスでは、文章美化アプリを利用することで、安心してメールをお送りできるようになりました。

ー 生成AI活用に関する今後の展望についてお教えください。
Allganizeならではの営業ノウハウを盛り込んだ営業支援アプリを強化していきたいと考えています。質問への切り返しが得意な人の対応や、過去の商談での対応のナレッジを反映し、チーム全体でのお客様対応および商談の質の向上を実現していきたいです。
また、2025年はAIエージェントの年とも言われており、AIエージェントのAlli Agentの提供によって、外部システムや生成AIアプリを連携し、営業の業務フロー全体の効率化にも取り組んでいきたいと思います。お客様への提供をいち早くしたいということもありますが、自身のチームでもAIエージェントを活用し、今まで以上の圧倒的な効率化を図っていきたいと思います。
ー Product Salesチームの皆さん、お話をありがとうございました!
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