■イベントレポート■ リーダー企業と考える、生成AI・LLM活用で切り開く金融機関の未来
Allganizeは、2023年12月19日に金融機関様向けの生成AIイベント「生成AI・LLM活用で切り開く金融機関の未来」を東京・渋谷にて開催しました。
現地開催のみのオフラインイベントでしたが、100名を超えるお申し込みを頂戴し、大変盛況となりました。
本日は、簡単にイベントについてご報告いたします。
開催日時・アジェンダ
今回は二部構成で実施いたしました。
2023年12月19日 16:30〜@東京・渋谷開催
- 第一部 〜パネルディスカッション・講演パート〜
- 第二部 〜参加者交流会〜
イベントの詳細はこちら:https://www.allganize.ai/ja/events/20231219
ここからは、簡単に各セッションについてご紹介します。
【1】マーケット観点から見る、DXと生成AI・LLM活用の最新トレンド
パネルディスカッション
・NRIデジタル プロデューサー 吉田様
・Allganize Japan 代表取締役 佐藤
NRIデジタル様にも多数の生成AI関連のご相談が寄せられるが、現時点では具体的な相談よりも「生成AIで何かしたい」というご相談の方が多いのが実情。
具体的なお話で多いのは、営業マーケティングなどで人が対応していた作業、コールセンターやコンタクトセンターの対応業務など。まだバズっている印象はあるが、今回の生成AIはよくあるバズワードではなく、ここから数年で本当に活用されていくと感じている。
生成AIの業務活用の検討にあたり「何の問題が解決できれば自社にとって一番嬉しいか」という観点が重要。生成AI活用を目的にせず、本質的な部分を目的にした方が良い取り組みができる。
これから検討される場合、生成AIはChatGPTなどすぐに触れる環境が用意されているので、まずは触って使ってみることが第一歩として重要だと考えている。
【2】SMBCのAI活用の成果と、銀行事業における生成AI・LLM活用の可能性
パネルディスカッション
・三井住友銀行 デジタル戦略部 副部長 船山様
・Allganize Japan Solution Sales Manager 池上
三井住友銀行様では以前から多方面で自然言語処理の活用に取り組んでおり、実際に大きな業務効率化や生産性向上に繋がっている。
AllganizeとはAIを活用したコールセンターシステムなどを共同開発している。
(プレスリリース:2021年2月 シリコンバレー・デジタルイノベーションラボを活用した独自自然言語処理 AI の実用開始について)
また、三井住友銀行様内における応答照会業務にAllganizeのAIチャットボット「Alli」を数多く利用し、社内のIT関連ヘルプデスクにおいては、人手をほとんど介さないまでの導入効果が出ている。
生成AIに関しては具体的な業務活用に向けて、プロジェクトチームを立ち上げて取り組んでいる。
生成AIはユースケースも多様で、様々な関連技術や、Allganizeをはじめとした新たなサービスが次々とリリースされている。生成AIのもたらす効果と検討事項をそれぞれ見て、最先端の技術をリスクコントロールしながら活用していくことが重要。
【3】LLMアプリ活用でビジネスがどう変わるか?
米韓に学ぶ生成AI・LLMへの取り組みや、金融業界特化型LLM『Alli Finance LLM』開発の背景をご紹介
講演
・Allganize Japan 代表取締役 佐藤
Allganizeは米国シリコンバレーで創業し、日米韓を拠点に事業を展開しているAIスタートアップ。
米韓は、生成AIのリスクを十分理解した上でメリットを評価し、積極的に取り組みを進めている。一方で、日本はハルシネーションやセキュリティ等のリスク懸念が先行し、米韓に比べて活用が遅れてしまっている。
※ 日米韓の生成AIの取り組みの違いや、米韓の取り組みが進んでいる背景についきましては、こちらのNewsPicksの記事もご覧ください。
生成AIの企業活用において、グローバルで共通の3つの課題がある。
- どのような業務で活用してよいかわからない
- プロンプトの知識に差があり、全社的に使いこなすことが難しい
- 自社データを生成AIでどのように活用すべきかわからない
この生成AIの企業活用の共通課題を解決するために、Allganizeでは誰でも選ぶだけですぐに使える生成AI、LLMアプリ「Alli LLM App Market」をご提供している。
セミナーでご紹介した動画はこちら↓
LLMはモデルによってアウトプットが異なり、特定タスクを実行する場合に、専用LLMが適切なケースが存在する。金融業界は業界特有の専門用語や独自の慣習があり、汎用的なLLM(GPT-4など)では対応できない場合がある。
また、セキュリティ観点で、オンプレミス環境でのLLM実装を視野に入れると、専用LLMがオプションとなり、Allganizeでは、金融業界特化型「Alli Finance LLM」を開発、提供している。
【4】第一生命グループのこれまでのAI活用の取り組みと、生成AI・LLM領域でのチャレンジ
パネルディスカッション
・第一生命情報システム デジタル推進部 部長 八幡様
・第一生命情報システム デジタル推進部 イノベーション推進グループ デジタルアーキテクト テクニカルリーダー 水谷様
・Allganize Japan 代表取締役 佐藤
・Allganize Japan Customer Success Manager 利光
第一生命様では、「Dai-ichi Life Innovation Lab」を2018年4月に創設し、新規ビジネスや最新技術を活用したPoCを実施している。
(プレスリリース:2017年2月 新たなビジネスモデル創出を目指した新組織「Dai-ichi Life Innovation Lab」を新設)
シリコンバレーにも拠点があり、自然言語処理分野などAI活用に積極的に取り組んでいる。
以前よりLLM研究にも取り組んでおり、BERTの頃から注目していた。関連論文を人工知能学会に出している。(「チャットボットを用いた日本語BERTモデルの意図分類性能評価」(2021年度)、「GPTー2を活用した質問応答タスクへの適応(2022年度)」)
LLMアプリ開発には、より高度な知識やスキルが求められ、自社のスキルの高いエンジニアを中心に自社だけで取り組むことも可能であるが、AllganizeのようにLLMを精度高く即業務適用できる仕組みを活用するのも重要だと考えている。
従来より先端の自然言語理解AI技術を活用したAIチャットボットも検証し、AllganizeのAIチャットボット「Alli」も評価。高い回答精度を評価し、実際に複数の部署で照会業務などで運用している。
AIチャットボットの取り組みを皮切りに現場部門と関係性を構築し、その他の課題にもラボと現場部門と取り組んでいる。今後も、ラボとしてPoCを通して引き出しをたくさん増やし、どのような会社課題にも対応できるように取り組んでいきたい。
第二部:参加者交流会
第二部は、参加者と登壇者が参加する交流会です。
第一部の参加者の半数以上が参加され、金融業界ならではの話題やAI活用に関するお悩みなど、共通の課題感で非常に盛り上がり、お話が尽きないようでした。
参加者の感想
ご参加いただいた方からの感想を抜粋してご紹介します。
生成AIの現在地と未来像を知ることができ、大変興味深かったです
他社他行のユースケースや取組状況を聞くなかで、自社取組のスピードに課題を感じました。各社スピーカーの方々の話が大変参考になりました
現在のトレンドや他の会社の取り組みが見えたので良かったです
LLM・生成AIの最新の動向がわかって良かった
生成AIの現状の課題感について共感できた
おわりに
12月のお忙しい時期にも関わらず、大変多くの方にご参加いただきありがとうございました。そして、ご多忙の中ご協力いただいたスピーカーの皆様に対し、改めて感謝を申し上げます。
Allganizeでは、今後も 生成AI・LLM に関するイベントを実施し、お役立ていただけるような情報を発信していきます。
生成AI・LLM の業務活用にご興味がありましたら、ぜひAllganizeまでお気軽にご連絡ください!